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岩合光昭写真展 「ねこ」 作品紹介

   周南市誕生10周年記念
 岩合光昭写真展 「ねこ」

「ねこ」展の主な作品5点を紹介します。



作品紹介 (1)  「まずはあいさつから」


島根県・出雲市  (C)Mitsuaki Iwago

ネコが幸せになれば、ヒトも幸せになり、地球も幸せになる―――。
ネコ写真の第一人者、岩合光昭さんのモットーです。

世界中の動物たちと向き合ってきた写真人生、現在62歳。
なかでも40年以上にわたって撮り続けているのがこのネコです。

出会いは中学時代、外国のネコの写真集を見て体が震えました。
主に狙うのは町や取材先で出会うネコたち。
テーマは、ヒトとの結びつきと、どんなところで暮らしているか。
 
さて、ネコを探す時は、ネコのように車の入れない狭いところへと入っていきます。
すると突然、ネコの家族が目の前に・・・。
しかしすぐにシャッターを切ってはいけません。
まずはあいさつから。岩合さんの流儀です。

(周南市美術博物館館長 有田順一)


作品紹介 (2)  「完璧なジャンプの瞬間」


山口県・周南市粭島  (C)Mitsuaki Iwago

ネコを見つけるには、ひたすら町を歩き回ることです。
一日20〜30キロ。足が棒になることもしょっちゅうです。

ふと目をやると、塀の上に一匹のネコが。
すると目が一点に集中し、ひげが進行方向を向き、顔も前のめりになり始めました。
「しめた」。直感でシャッターを押します。
青空を背に宙を舞う完璧なジャンプが撮れました。

岩合さんはネコがいると、まずそっと近づき様子をうかがいます。
撮影のコツは「見ることに始まり見ることに終わる」だそうです。
見ないことには何も始まりません。

ちなみに撮影地の周南市粭島は、高級魚・ふぐはえ縄の発祥地。
ここはネコの最高のすみかです。

(周南市美術博物館館長 有田順一)


作品紹介 (3)  「好対照の2匹が仲良く」


長崎県・福江島  (C)Mitsuaki Iwago

ヒトに一番身近な動物といえばイヌとネコです。
イヌはヒトに慣れるのに対して、ネコは自由気ままです。
その好対照をなす2匹が仲良く座っていました。

夕暮れ時で、光量がたりません。
「姿勢を低くし大きく足を開く」。岩合さん自身が三脚です。
絞りF2.8、シャッタースピード30分の1。
どうにかベストショットが撮れました。
このように暗い時は、いかに光をコントロールするかに尽きます。

ネコを撮る場合、光はとても重要です。色は光があるから見えるのです。
形を立体的に見せるのも光です。
光を読めるかどうかで勝負が決まります。
美しいと思うその瞬間を、そのまま写真にできたら最高です。

(周南市美術博物館館長 有田順一)


作品紹介 (4)  「 『野良』でなく『自由』です 」


イタリア・ベネチア  (C)Mitsuaki Iwago

どこへ行っても気になるのが、そこにネコがいるかいないかーーー。
街角の売店にいたネコに吸い寄せられた岩合さん。
レンズを向けるとネコが振り向きました。
「右目を失っている」。
左目はそれを補い強烈な輝きを放っていました。 

そんなイタリアで、ネコを撮影していると大の大人が近寄ってきて、
しゃがんで膝をつきネコをなでていきます。
イタリア人は色気があります。
ここでは野良ネコといういい方は無く自由ネコというそうです。
さすがヨーロッパ。考え方にも文化があります。

各国でネコを撮っていると「世界のネコはどこが違いますか?」と聞かれます。
決まって「ネコはネコなんです」と答える岩合さんです。

(周南市美術博物館館長 有田順一)


作品紹介 (5)  「 教えられた生き方を」



神奈川県  (C)Mitsuaki Iwago

海(かい)は30年以上前、岩合夫妻が初めて一緒に暮らしたネコです。
今でも似ているネコを見つけると「あっ、海ちゃんそっくり!」と思わず声がでるそうです。

海とは、あるお寺で出会いました。
一目で気に入り、お願いしてもらった雌ネコです。
初めは気にも留めませんでした。
しかし、じっと見ていると次第に可愛く思えてきました。
岩合さんは、海を主役にネコの生活を撮り始めました。
子ネコだった海も母親になります。そして一生懸命、子どもを育てます。

ネコは、飼うのではなく、しのぎを削りながらヒトと共に生きていく動物です。
小さな海というネコが、動物写真の権威、岩合さんに教えたネコの生き方です。

(周南市美術博物館館長 有田順一)